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着物の復興のために

着物について

 京都の伝統産業に西陣織京友禅に代表される呉服の製造と販売があります。 近年これら産業の衰退が著しく、衰退を食い止め復興することが望まれます。 ここでは着物に関する現状の分析と今後の課題を考えます。

着物離れ

 若年層を中心に着物人口が減ってきています。 この主な要因として生活の西洋化、着物の高額化、着物を着る機会の減少 が挙げられます。

生活の西洋化について

 第二次大戦後に洋式化が一気に進みました。 産業の発展、生活水準の向上と共に生活スタイルも欧米を模した様式が流行しました。 この風潮の中、日常着のウールや木綿の安価な着物の需要は減少し、 代用品として幅広い層に洋服が普及しました。

着物の高額化について

 洋装化が進みウールや木綿の安価な着物の需要が減ったことは 着物産業界に大きな変革を迫りました。 業界は日常着から礼装を中心としたビジネスに切り替えました。 また礼装のみでビジネスを成立させるため 取り扱い商品は高級品にシフトし、結果的に単価が高くなりました。 これが着物の高額化をもたらした大きな要因です。
 しかしながら、この礼装ビジネスは婚礼を主軸に考えられたものであり、 また婚礼が日本の伝統を比較的守ってきたからこそ成り立っていたものです。 近年の嫁入り道具の簡略化、挙式スタイルの洋式化で礼装自体のマーケットが縮小してきています。

着物を着る機会の減少について

 礼装、高級品へのシフトのため、日常着の流通がなくなり、日常に着物を着る機会も失われました。 また呉服関係者は、着物の格を保つため、いわゆるドレスコードを厳しくし、着物が着られる機会を狭めてしまいました。 このようにして、着物から普段着のジャンル、および着る機会が失われて行きました。

 以上の主な3点の要因から「着物離れ」という現象に繋がったと考えられます。

NPO法人 古都研究会 着物の復興のために

着物業界の課題

 日本の伝統文化である着物を復興し後世に伝えるには、 着物離れを食い止めるため、若年層に着物に目を向けてもらう必要があります。

そのためには、
  • 魅力のある商品を提供すること
  • 着物に関する情報を発信すること
  • オープンでフェアなマーケットを開くこと
  • 商品生産のために新技術を導入し、かつ伝統技術を継承すること

が目標として挙げられます。 これらの目標を達するため、着物業界の課題を洗い出し、改善の指針を検討します。

魅力のある、着物を提供するために

 若い人たちにおいて、ファッションは非常に興味のある分野と考えられます。 洋服の分野では次々と新しい流行が生まれています。 和装もかつて昭和初期の銘仙ブームなど、時代に則した流行が生まれていました。 近年ではゆかたが夏祭り、花火大会等でブームになっております。 このように時代に合った魅力のあるファッションとして、着物を提供することが必要です。

着物に関する情報を発信すること

 多くの若い人たちにとっては、着物は難しいというイメージがあるようです。 この要因として、若年層への着物に関する情報が不足していることが挙げられます。 着るためには何が必要なのか、何を揃えたらいいのか。 着物の選び方はどうなのか。 どこで買えばよいのか。 値段はいくら程度なのか。 など、基本的な情報から提供する必要があります。 また、情報の内容としては、伝統的な着付け方法やマナーも必要ですが、 従来の型にはめるより、自由に楽しく美しく着物を着るための情報を発信することが望ましいと考えます。

オープンでフェアなマーケットについて

 インターネットショップやインターネットオークションで、以前と比較すると売り手と買い手の距離は縮まりましたが、 店舗販売はいまだに敷居の高い印象が強いと思われます。
 オープンなマーケットという面では、リサイクルショップのように気軽に入れる店や、 おしゃれでモダンな店構えの販売店も増えつつあります。 より気軽に来店してもらうには、既存の店舗はもう一段階敷居を下げることが望まれます。
 フェアなマーケットという面においては、 たとえば現状では、店頭の着物に販売価格が表示されていなかったり、 催事で100万円と記した商品が交渉で数万円まで下がったりと、不透明感が指摘されています。 これらを洋服店と同等に、信頼の得られる価格を表記し、不当な値引き販売を改善することが求められます。 低額品にも高額品にも共通なことは、商品の値打ちに、値打ち相応の価格が付けられることです。 商品の価格に対して、売り手、買い手共に納得の上で売買が成立することが大切です。 このために信頼されるマーケット作りが求められています。

商品生産のために新技術を導入し、かつ伝統技術を継承すること

 着物業界もかつては、ジャカード機(パンチカードを利用した織機)を導入し量産化を計ったり、 江戸時代には高品質なものを効率よく作るための技術として友禅染を開発したり、 常に技術革新を行ってきました。 京都の工房に見られる分業制は、効率よく大量のものを捌くための手法であり、当時は画期的なモデルでした。
 現在の洋服の多くは効率良く大量生産が行われています。一方でハンドメイドの高級品も存在します。 洋服業界も時間を掛け多くの変革を行い、現在の姿が出来上がってきました。 和装業界は、近年この変革が不足していた点は否めません。
 新しい技術を導入することで、洋服に対抗しうるローコストで良質な品の量産が可能になります。 一方で伝統技術の継承により、世界に誇るべき高級品の着物を製作することができます。 ローコストで良質な品を量産するということと、職人の伝統技術を継承することは 一見相反するテーマに見えますが「着物文化」の振興のためには、両天秤で不可欠な関係にあります。
 このなかで、ローコストで良質な品の量産は、若い世代の着物ユーザーを増やすためには欠かせない技術です。 安価で良質なものを提供することが、若いユーザーが着物デビューするための足掛かりになります。 特に、洋服に対抗しうるデザインや生地などの商品開発力が必要とされます。

着物業界のもう一つの課題

 着物産業の衰退を食い止めるためには、ビジネスモデルの革新が不可避と考えられます。 他の業界では様々な工夫や努力が進んでいます。 代表的な例として、自動車・電機メーカーのカンバン方式やサプライチェーンマネジメントを用いた生産管理、 コンビニ業界のPOSデータを用いた販売戦略、 ゲーム機メーカーの従来の概念にとらわれない新商品開発 が挙げられます。
 一方で着物業界は流通経路についても大きな課題があります。 京都において多くの場合、西陣織や京友禅で、下記の経路で商品が製造され販売されています。
 職人→染匠/機屋→製造問屋→前売り問屋→小売店→消費者
 現在ではこれをショートカットしたバリエーションもありますが、基本はこれと同じ流れです。 経由が多くなるにつれ、そのコストは消費者の手に渡る時点の販売価格に上積みされます。 他業種を見回してみると様々な面で再編が進んでいます。 古き風習は大切ですが時には痛みを伴い変革を受け入れる必要もあります。 現在の流通形態を即座に否定するものではありませんが、 今後着物業界が息を吹き返し次の時代に残っていくためには、 業界全体が協力し、着物業界のあるべき姿を描き出し、それに向う姿勢が望まれます。

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